2007年4月5日木曜日

冰魄寒光剣 (2)

 さて、チベットに入った桂華生は、「魔鬼城」騒ぎにでくわす。「魔鬼城に捕まって」、意識不明になったという(実は花のにおいで中毒になった)中年の男と13~4歳の少年を「天山雪蓮」という妙薬を使って助けるのだが、この少年こそ『江湖三女侠』でくわしく語られている清の将軍であり皇帝・雍正に粛清された年羹堯の息子であった。彼は、四川暗器の名門唐家で養育されていたのだが、かつての父の部下であった男にそそのかされて、唐家を飛び出し、父の仇を討とうとしていたのでる。

 (注) 冒頭、年羹堯の遺児がでてきたので、物語の伏線かなと思ったのですが、それ以降この作品には、最後まで年羹堯の遺児の話はでてきませんでした。『江湖三女侠』では、年羹堯は重要な登場人物だったので、『冰魄寒光剣』でも期待していたのですが、ちょっと肩すかしでした。

 その後、桂華生は「魔鬼城」の遺跡をぬけた山のなかに白い塔と建てられてそれほどたっていない館を発見したのであった。じつは、これらの建物は、ネパールの王子が王の座をねっらて画策を張り巡らしている根城だったのだが…。