2008年4月29日火曜日

梁羽生小説全集を購入

 インターネットで入手した梁羽生の小説は、誤字がやたらと多いし、プリントアウトするインク代と時間もばかにならないので、決断して梁羽生小説全集を購入しました。東方書店にインターネットで注文して、中国から取り寄せたのですが、待つこと三週間少しで手元に届きました。
 全55冊で、5万5千円余りの買い物でした。荷物の重さは30kgほどあったかと思います。置く場所もないので、とりあえず畳の上に並べておきました。早速、いま読んでいる『雲海玉弓縁』を読んでみましたが、本で読むのはやはりいいです。字も綺麗ですし、誤字の心配もない(?)と思いますし・・・。
 写真上 : 梁羽生小説全集 55冊  写真下 : 『雲海玉弓縁』の一節

2008年4月6日日曜日

冰川天女伝 (2)

 物語は、西蔵(チベット)の草原を歌を歌いながら旅する歌芸人の一団を眺める一人の少年からはじまる。彼、陳天宇の父・陳定基は乾隆帝の寵臣・和坤の弾劾書を上奏したが故に、チベットの薩迦宗の宣慰使に左遷されてはや八年、息子の陳天宇もすでに十八になってしまったのである。
 目の前を行き過ぎる旅芸人のなかに、歌を歌わず口を固くと閉ざしたチベット族の美貌の少女を見つけ、陳天宇はその場に釘付けになってしまった。と、そのとき、旅芸人の一団の中にいたひとりの漢民族の男が陳天宇にむけて矢を放った。陳天宇はとっさに身を翻し、ぱっと矢を素手でつかんだ。「カラスがうるさいから矢を放った。弓法が未熟で、矢が逸れてしまい申しわけない。」というその男は、だがしかし彼の「空手接箭」の腕を試していたのであった。
 陳天宇の武術は、家庭教師として陳定基にしたがってチベットに来ていた蕭青峰にひそかに教わっていたもので、かなりの腕前になっていた。そして 陳天宇に矢を放った男こそ、蕭青峰を仇と狙いチベットまで探し求めてきていたのであった。

2008年4月5日土曜日

冰川天女伝 (1)

 『冰川天女伝』を読みました。結論から言うと、これはかなり面白かったです。
まず、登場人物が豊富で、さらにストーリー展開のリズムも悪くなく、一気に読ませるものがありました。形式的には、『冰魄寒光剣』の二人の主人公・桂華生と華玉のあいだに生まれた桂冰娥=冰川天女についての物語という形をとっていますが、登場人物と物語の内容からみると『江湖三女侠』の続編といった方がぴったりです。
 その登場人物ですが、『江湖三女侠』で活躍した呂四娘、唐曉瀾、馮瑛、馮淋、楊柳青などがでてきますし、また彼らの子供たちや毒龍尊者の弟子や年羹堯の息子なども登場します。また、舞台も西蔵(チベット)やヒマラヤ山地が主で、現在おこっている中国のチベット問題にも通じるところがあるような内容も含まれています。
 『冰川天女伝』は、『冰魄寒光剣』の四倍ぐらいの分量があり、中国語の単行本で二冊ですから、かなり長編です。
 次回から、『冰川天女伝』のあらすじを紹介していきます。