2008年4月5日土曜日

冰川天女伝 (1)

 『冰川天女伝』を読みました。結論から言うと、これはかなり面白かったです。
まず、登場人物が豊富で、さらにストーリー展開のリズムも悪くなく、一気に読ませるものがありました。形式的には、『冰魄寒光剣』の二人の主人公・桂華生と華玉のあいだに生まれた桂冰娥=冰川天女についての物語という形をとっていますが、登場人物と物語の内容からみると『江湖三女侠』の続編といった方がぴったりです。
 その登場人物ですが、『江湖三女侠』で活躍した呂四娘、唐曉瀾、馮瑛、馮淋、楊柳青などがでてきますし、また彼らの子供たちや毒龍尊者の弟子や年羹堯の息子なども登場します。また、舞台も西蔵(チベット)やヒマラヤ山地が主で、現在おこっている中国のチベット問題にも通じるところがあるような内容も含まれています。
 『冰川天女伝』は、『冰魄寒光剣』の四倍ぐらいの分量があり、中国語の単行本で二冊ですから、かなり長編です。
 次回から、『冰川天女伝』のあらすじを紹介していきます。